「全国の防災指針に役立つ判決だと思う」

4月26日午後、仙台高裁で判決が出ました。ご遺族の皆さんの勝訴です。

東日本大震災の津波で宮城県石巻市立大川小学校の児童74名、教職員10名が死亡・行方不明になった事故。

学校管理下で失われた大勢の命。避難指示が適切に行われず、事前の対策も怠っていたとして23人の児童のご遺族が石巻市と宮城県に対して訴訟を起こしていました。

「なぜ自分の子供が死ななくてはならなかったのか?」

切実な思いで踏み切った訴訟です。市の教育委員会などが丁寧にご遺族に事実を説明していれば裁判になんてならなかったのです。取材を通じて聞こえてくるのは、事実の捻じ曲げ、隠蔽、暴言などご遺族の気持ちを踏みにじる市や県側の対応でした。

「教育行政がこんなことではこれからもまた同じような事故が起きてしまうかもしれない」

ご遺族の佐藤和隆さんや只野英昭さんは私の取材に悔しさと怒りを滲ませながら、そう気持ちを打ち明けてくださいました。

隠蔽や改ざんに立ち向かう親たち 「本当のことを知りたい」 終わらない震災の記憶

1審に続き、2審でもご遺族の皆さんが勝訴しました。

今回の判決で裁判所は「地震の発生前の段階で学校に津波が到達することを予測できた。学校は危機管理マニュアルに避難場所や避難経路などを定める義務があったのに怠った」と指摘し、1審では認められなかった学校側の事前の防災対策の不備を2審で認め、石巻市と宮城県に対し14億3000万円あまりの賠償を命じました。

判決後、佐藤和隆さんは「正直ホッとしました。私たちの主張がほぼほぼ認められたからです。学校側は具体的にどのような危機管理をするべきなのか、全国の防災指針に役立つ判決だと思っています。何を為すべきか明確になったと思います」と語りました。

その一方で、石巻市や宮城県は今回の判決は不服として最高裁に上告する構えだという声も聞こえてきます。佐藤さんは「学校管理下での事故でしたが、学校は子供の命を守る責任はありませんと主張しているようにも感じられて憤っています」。

まだご遺族を傷めるのでしょうか。裁判をするよりも次の災害に備えるための対策に力を注いで欲しいのにと強く感じます。今後もGARDENでは取材を続けます。

特集記事