「いいものを残すために寄付文化を」

「12月は寄付月間だ」と言われても、まだ馴染みのない方も多いかもしれません。「寄付月間〜Giving December〜」は、日本に寄付文化を根付かせることを目指し、「欲しい未来へ、寄付を贈ろう」を合言葉に、2015年からNPO法人、大学、企業や行政などが協力して始まった寄付啓発キャンペーンです。

2010年に発表された総務省統計局の調査によると、2007年の日本の寄付総額は5910億円(名目GDP比0.11%)なのに比べ、アメリカは36兆2258億円(名目GDP比2.20%)、イギリスは1兆812億円(名目GDP比0.80%)となっています。また、個人の寄付総額が全体の2割にとどまる日本と比べ、アメリカやイギリスでは8を超えています。(※1)

そんな日本の寄付文化を背景に、「寄付月間〜Giving December〜」では、賛同した個人や団体による寄付に関するイベントやシンポジウムを、「寄付月間公式認定企画」として応援してきました。初年の2015年は23企画だったのが、今年は127企画に。企画者は学生から行政や企業まで幅広く、開催場所も全国各地に広まり、企画内容もLINEスタンプを利用したり寄付に関するディスカッションを行ったりと多岐に渡るように。

寄付月間推進委員長で、株式会社三菱総合研究所理事長の小宮山宏さんは、「僕は大学にお金がないというのをずっと考えている。尺八の人間国宝・山本邦山さんと話していると、山本さんが『芸術もそうだ』と。『人間国宝になって、自分は食えるようになったけど、弟子はやっていけないよ』と。そういうものって一度無くなったら終わり。オーケストラも、美術館も。いいものを残すために寄付文化を作っていきたい。」と話します。

12月1日に開催された「寄付月間2017 Giving December シンポジウム」には、GARDEN代表の堀潤も登壇。寄付のアクションについて是非発信して欲しいと呼びかけました。

「SNSで発信できる時代であったり、個々人がインターネットを使って寄付をできる時代になった。とても民主主義的だなと思うんです。僕は、民主主義の反対語は沈黙だと思ってます。いろんな形でのアクションがあると思いますが、そのアクションの先に必ず小さな変化が生まれます。是非みなさん自分が言ったことを堂々と意見表明して欲しいんです。『寄付したんだ』とか、『あの人助けたんだ』とか、あんまり人に言うもんじゃないかなと思って黙っちゃうんです。でも、発信しないと人は動かない。堂々と発信を続けてください。」

「子どもたちが寄付について発信したら日本中に寄付を楽しく広げられる」

今年の寄付月間公式認定企画にはなんと、「寄付アクションについて子どもから発信したい!」という小学生からの企画も。小学4年生のかのんちゃんが企画したのは、子どもが寄付について発信をする『ふじぽんキッズ』。社会問題に取り組む人を応援するプロボノチーム『チームGOEN』とそのマスコットキャラクター『ふじぽん』の応援のもとで、かのんちゃんの挑戦が始まりました。

「寄付のことを聞いているうちに、いいことも聞くけど、苦しんでいる人のこともよく聞きました。まだ小さいのに奴隷になったり、ろくに好きなものを食べられなかったり、働いていたり、学校に行けなかったり。私にできることもしたい、そういう人を少なくしたいというのがありました。」と話すかのんちゃん。きっかけは、2016年9月に高校生が企画した寄付月間企画イベントでした。

「高校生だけで進めているのがすごいなと思いました。簡単におもしろく寄付のことを広めていたり、演技で披露してくれたり。とても楽しみながら堅苦しくなく、言葉だけじゃなくて動きでも教えてもらいました。『私にできることはないかな』と相談して、『ふじぽんキッズ』を始めることにしました。」

『ふじぽんキッズ』では、『#ふじぽんキッズ』をつけて子どもたちが実際に行った寄付体験、見つけた寄付方法をSNSに投稿して欲しいと呼びかけています。使わなくなったランドセルや読まなくなった本を寄付するなど、子どもでもできるアクションを共有できる場作りを目指しています。

「子どもたちが寄付について発信したら日本中に寄付を楽しく広げられる。やっぱり、小学生がやったほうがみんなが注目をして、大人も注目をして、寄付を知らない人が見て興味をもって。『子どもができるなら僕もできる』とか、子ども同士でも『あの子がやっているからきっとできるはず』とか。そんな風にやる人が増えていくから、子どもにやってほしいなと思います。」

かのんちゃん自身の寄付アクションは、ヘアドネーション。

「小さい頃からの友達が伸ばしては切って伸ばしては切ってというのを聞いていて、『ふじぽんキッズ』ができたらやりたいなと思っていました。12月の半ばくらいに切ろうと思っています。ちょっとドキドキします。病気の人や髪の毛が伸びない人に、少しでも自信を持ってもらって喜んでもらいたいなと思います。」

寄付ができれば、『#ふじぽんキッズ』をつけてふじぽんのFacebookページ『ふじぽんのGoenがありますように』で投稿するそうです。

「民主主義の対語は沈黙だ。欲しい未来に、寄付を贈ろう」。「寄付月間」を良いきっかけに、是非あなたの小さな寄付アクションを発信してみてください。

(※1)総務省統計局、国税庁、AAFRC Giving USA2009 NCVO UK Voluntary Sector Aimanac 2008より、内閣府NPO資料 https://www.npo-homepage.go.jp/kifu/kifu-shirou/kifu-hikaku

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