地域子ども子育て教育

みんなの居場所の絵画教室。ピンチを乗り越え、まちづくりの拠点に!

東京・町田で18年間活動してきた絵画造形教室「アトリエ・アルケミスト」が、移転のピンチにさらされています。今月(2019年3月)で賃貸契約が終了し、「引っ越すか、この場を買い取るか」の2択を迫られています。同じ場所で活動を続けるとともに、教室をまちづくりの拠点としていくため、クラウドファンディングで支援を募っています。

アトリエ・アルケミストは、町田市玉川学園にある絵画造形教室です。小学1年から大人まで「つくることが好き」で集まった様々な人たちが集まっています。本人の興味関心に応じて、絵画制作から彫刻、手工芸など、幅広い制作の場を提供しているのが特色です。制作を通じたコミュニケーションを繰り返すことによって、子どもたちにとっては「ただいま」と言えるような居場所、学校や家とは違う「第3の場所」にもなっています。

賃貸契約終了を伝えられたのは2018年の年明けでした。主宰の羽田由樹子さんは中学校での講師収入をアトリエの運転資金に充てて10年以上を過ごしてきたため、その場所を買い取るほどの資金はありませんでした。一時は移転も検討し、いくつか下見もしたそうです。そんな中、ずいぶん前にアトリエをやめていた男の子がふらりとアトリエにやってきました。大学受験に失敗して浪人生になっていること、最近詩を書いていること、恋愛のことなど、いろんな話をしゃべって帰っていったそうです。

「大きくなった『元ちびっこ』がアトリエに遊びに来ることはよくあります。彼はそれを思い出させてくれました。彼らにとって、ふらりと帰ってこられる場所を守りたい。彼らの話を、このアトリエで聞きたい」

羽田さんにとって今のアトリエは、どうしたら心地よく制作に集中できるか、18年作り込んできた空間で、思い入れもありました。

「『リラックスした状態で、親しさに満ちた空間で学ぶ』ということを本気で考え続け、数え切れない工夫と改良を重ね続けた場所。ここでしか味わえない『のんびりした、親しみのある空間』を活動の基盤にしたい」

今回のクラウドファンディングでは、今のアトリエの場所を買い取って整備するとともに、これまでの活動を生かしたNPO法人を設立することも目指しています。具体的には、▽感覚やコミュニケーションをテーマとしたアートワークショップの企画・運営▽「ただいまといえるようなまちの集いの場づくりの支援に取り組む2つのNPO法人をつくるつもりです。すでに試運転的に始めている活動もあります。

「『レッスンとしてのアート』『コミュニケーションとしてのアート』、この二つの要素を生かして、親しさに満ちた空間で、気がつかないうちにたくさんのことを学べるような場所を、町のいろいろな場所につくりたいと考えています」

クラウドファンディングによる支援は、3/31まで受け付けています。詳細はプロジェクトページ(https://a-port.asahi.com/projects/atelier-alchemist/)をご覧ください。

A-port 朝日新聞社

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