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猪苗代湖をビーチサッカーの聖地に。東北復興を願う、強豪選手の思い

ビーチサッカー

福島・猪苗代湖をビーチサッカーの「聖地」にしよう--。ビーチサッカーの強豪「レーヴェ横浜」と、その趣旨に賛同した人たちが、こんなプロジェクトを立ち上げました。子どもたちが雄大な自然とビーチサッカーを楽しめるイベントを継続的に開き、震災復興にもつなげていこうと考えています。まずは最初のイベントを成功させるためにクラウドファンディングで支援を募っています。

「ビーチサッカー」は、その言葉通り砂浜でプレーするサッカーです。2005年からFIFA(国際サッカー連盟)がワールドカップ(W杯)を開催するなど、世界ではメジャーになりつつあります。日本の代表チームは2005年のW杯で4強に進出。今年11月にパラグアイで開かれるW杯への出場も決まっています。

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日本代表の監督はラモス瑠偉さんが務めている

 

今回のプロジェクトの中心となっている「レーヴェ横浜」には、日本代表選手が3人所属しています。それ以外にも代表候補が多数在籍する国内屈指の強豪チームです。

「普通のサッカーではパスやドリブルが中心ですが、ビーチサッカーは足元が砂なので、リフティングでボールをつなぐことが多い。オーバーヘッド、ジャンピングボレーなど、普通のサッカーなら『スーパーゴール』と呼ばれるようなアクロバティックなプレイもよく見られます。その分、選手も観客もエキサイティングに楽しめるスポーツです」

レーヴェ横浜で活躍している小川大輔さんは、ビーチサッカーの魅力について、こう語ります。

小川さんは今回のプロジェクトの中心メンバーの一人です。プロのサッカー選手を目指していた小川さんは、福島県郡山市で社会人チームに2年間所属していたことがありました。

「山口県のチームに移るために郡山を離れた1週間後に、東日本大震災がありました。郡山ではすばらしい仲間に恵まれて、いい思い出ばかりだったので、震災は本当に辛いできごとでした」

その後、小川さんはビーチサッカー選手として日本一を目指すようになりますが、東北復興の力になりたいという思いが頭から離れることはありませんでした。その思いにレーヴェ横浜のメンバーも共感。2016年から毎夏、猪苗代湖で「ビーチサッカーキャンプ」を実施するようになりました。横浜と福島県の子どもたちを対象としたスクールと交流イベントです。3年間で延べ100人を超える子どもたちが参加してきました。

ビーチサッカー

「猪苗代湖は雄大な湖、山という自然に囲まれた場所。都会のビーチのような喧騒もなく、のんびりと広い砂浜でスポーツを楽しめる場所です。湖周辺にはビーチスポーツ専用コート、宿泊施設、温泉もある」

猪苗代湖の素晴らしさとビーチサッカーの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい。そこで立ち上がったのが今回のプロジェクトです。

6月に予定しているイベントでは、福島県や近隣のサッカーチームに声をかけ、初日に子どもたち、2日目は大人のチームがビーチサッカーで対戦します。東北ビーチサッカーリーグ強豪の「モスペリオ東北」とレーヴェ横浜とのエキシビションマッチも予定されています。

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「思い切り砂浜でプレイする笑顔の子どもたちの姿は、東北の人たちに笑顔と未来を届けてくれると思います。このイベントは今回限りではなく、毎年続けていきたい。そうすることで、猪苗代湖がビーチサッカーの聖地として盛り上がってくれたら、と願っています。そうなれば、ビーチスポーツをする人だけでなく、観戦にくる人も増えて、地元の観光業にもプラスになるのではないでしょうか」

クラウドファンディングの支援受付は6月10日までです。プロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。

 

A-port 朝日新聞社

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