人材育成子ども教育

「子どもたちが学びたくなる歴史教科書を」元教員らが支援募る

教科書をつくるクラウドファンディング

教科書会社「学び舎」の中学歴史教科書を制作するために、「子どもと学ぶ歴史教科書の会」(学ぶ会)がクラウドファンディングに挑戦している

子どもたちが自分で考え、学びたくなるようにと、現場を知る教員・元教員らがつくった教科書で、大学の教職課程で使われるほど内容は充実している。

だが、次の版の制作に向けて資金が不足しているという。

学び舎の中学歴史教科書

学び舎の教科書の「生糸と鉄―日本の産業革命―」というテーマの冒頭には、約100年前の絵はがきを使って製糸工場で働く少女たちが紹介されている。ページの約3分の1を占める大きさで、細かい部分まで分かる。

「学ぶ会」副代表の山田麗子さん(68)は「工場や少女たちの様子を観察することで発見や疑問が出て、子どもたちが様々なことを考えることができる」と狙いを説明する。

歴史を、自分とつながることとして実感できるようにと近現代に力を入れた。全113テーマの約4割は、二つの世界大戦と現代を取り上げている。裏に隠れがちな庶民や女性、子どもの姿も丁寧に紹介している。

学び舎の中学歴史教科書

学び舎の教科書は2015、20年の文部科学省検定で合格。16年度から三十数校で使われている。学習指導要領が変わった今年度、採択校が増えることを期待していたが、コロナ禍と重なって十分な営業活動ができず、ほぼ横ばいだった。

「学ぶ会」によると、教科書を発行するには、制作・編集だけでなく、全国の教育委員会や教科書展示会に見本本を送ったり、採択に向けて営業活動をしたりせねばならず、約4千万円が必要になる。

会員からカンパを募るなどしているが、まだ1千万円ほど資金が不足しているという。

山田さんは「今回のクラウドファンディングを通じて、これまでつながりがなかった人にも学び舎の教科書を知ってほしい」と話している。

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A-port 朝日新聞社

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