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(日本語) バングラデシュのこどもたちに安全な教育環境を コックス・バザールの校舎修繕プロジェクト

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バングラデシュ南部に暮らす少数民族の仏教徒ラカイン族。その貧しい子供たちに無償で勉強の機会を与えてきたウショコラ小学校の校舎が老朽化し、危険な状態になっています。校舎を修繕して安全に勉強できるようにするために、小学校を運営している「サザンペン」がクラウドファンディングで支援を募っています。

築30年。老朽化が進んだ小学校を修繕したい

サザンペンは、ラカイン族の支援を続けているNGOです。熱帯熱マラリアにより現地で死亡した日本人ジャーナリスト森智章氏の遺志を実現するために1991年に設立されました。「12万円で世界を歩く」などで知られる旅行作家の下川裕治さんが代表を務めています。

サザンペンが運営するウシュコラ小学校では、9名の先生が日本円で2000円ほどの安い月給で働いています。運営費は、日本からの寄付で賄われていますが、支援者の高齢化とバングラデシュの物価上昇などの影響もあり、恒常的な資金難に陥っています。

校舎は築30年を超え、2階廊下の劣化、雨漏り、支柱の腐食など老朽化が進み、修繕をしないと生徒たちが危ない状況です。クラウドファンディングで集めた資金で、本格的な修繕をするとともに、先生たちの給料も少しでも増やして、これまでの努力に報えればと考えているそうです。

 

■西端の仏教徒ラカイン族。イスラム社会で生きるには教育が必要

ラカイン族は東南アジアに広がる仏教圏の西端に暮らしています。常にイスラム社会に晒されて生きています。バングラデシュはベンガル人を中心にした国で、イスラム教を国教にしています。イスラム社会では、ラカイン族の仕事は少なく、貧しいラカイン族がかなりの割合になっています。そのなかで、まず小学校に子どもを通わせ、さらに高等教育を受けさせていくことは、民族の将来にとっては重要なことです。

小学校は仏教寺院の敷地のなかにあります。そこも周囲のイスラム社会からの圧力を受けていますが、ラカイン族ひとり、ひとりが、民族を守っていくしか方法はありません。小学校の存続は、彼らのセンターをつくることを意味しています。そのためにも小学校の修繕、そしてスムーズな運営が必要になっています。

■一方的な資金援助だけではなく

学校の運営は、援助のなかでも大変な分野です。バングラデシュの場合、井戸を掘ったり、シェルターをつくったりすることは、ものが残り、達成感を得られる援助です。しかし教育は形に現れにくく、長い年月がかかり、終わりがありません。そのなかで、サザンペンは、一方的な資金援助ではなく、最終的には彼らの力で学校を運営していく方向を模索してきたといいます。

代表の下川さんは8月26日に、「クラウドファンディングの責務」と題したブログを公開しました。クラウドファンディングを始めるまで、30年近い活動に疲れ、「もうやめよう」とメンバーに言ったこと、クラウドファンディングで「予想もしなかった額」の支援が集まってきたことへの感謝などを綴った上で、決意を表明しています。

「多くの見知らぬ人々への責務を負ったことも痛感している。65歳の男にとって、それはかなり重い。失敗はできない。クラウドファンディングの募集期間が終わったら、僕はそのお金を携えてバングラデシュに行く。経過は報告させていただく」

クラウドファンディングによる支援受け付けは、9月4日23時59分までです。

詳細はこちらをご覧ください。

(日本語) A-port 朝日新聞社

(日本語) A-port 朝日新聞社

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