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香港の今を記録する映画制作へ 日本の配給会社も協力、支援募る

映画「BlueIsland 憂鬱之島」

揺れる香港のアイデンティティーを見つめ、「時代の声」を記録しようと、香港の映画人たちがドキュメンタリー映画づくりに乗り出しました。民主化デモを題材にしているため、撮影や資金、上映場所など、公開までには多くの困難が立ちはだかっています。映画を完成させ、世界に向けて展開していくため、日本の配給会社も制作に協力し、クラウドファンディングで支援を呼びかけています

映画は香港・日本合作「BlueIsland 憂鬱之島」。1960年代に香港で展開された反植民地闘争、中国の文化大革命、天安門事件という激動の時代を経験した実在の3人が登場します。彼らが貫こうとした信念とその記憶、今も残る心の傷痕をカメラが追います。香港の過去と現在を踏まえ、未来を考えることが作品の狙いです。

制作陣は、2014年の雨傘運動を記録した映画「乱世備忘 僕らの雨傘運動」を手がけた陳梓桓(チャン・ジーウン)監督、任硯聰(ピーター・ヤム)プロデューサーら。日本でも話題を呼んだ香港映画「十年」に関わった蔡廉明(アンドリュー・チョイ)氏も共同プロデューサーとして参加しています。

蔡共同プロデューサー(左)、陳監督(中央)、任プロデューサー(右)

 

2017年に撮影を開始しましたが、その後に逃亡犯条例改正案への抗議に端を発した大規模な抗議活動が起こりました。2020年6月には、統制を強め「自由」を制限する国家安全維持法が施行され、街の様子は一変。民主派の人々の逮捕が相次いでいます。

民主化デモのその後もカメラは追い続けましたが、新型コロナウイルスの影響などで一時中断。制作期間が大幅に延びたため資金が不足しています。

陳監督は「青年時代に抗争に身を投じた実在する3人の生活をドキュメンタリーとして記録し、記憶と傷痕をドラマで再現します。そこにいま香港で起きていることを交え、自由と公正を求める信念が各世代の人々に与える影響を映像によって探ろうとしました」と話します。

蔡・共同プロデューサーは「香港の過去と現在と未来を映すこの映画は『時代の声』です。時代を記録する自由な映画のためにご協力ください」と支援を呼びかけています。

クラウドファンディングは5月5日まで実施しています。支援額によって、日本公開版への名前掲載や完成披露試写会への招待などの特典があります。詳細はこちらをご覧ください。

A-port 朝日新聞社

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