人材育成International Cooperation

(日本語) 【社会起業家支援】当事者の立場から変革を 立ち上がったヒーローを支援したい

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenience, the content is shown below in the alternative language. You may click the link to switch the active language.

■「次世代に残せる未来を創出する」ために

「Be the change you want to see in the world.」
(この世の中であなたが見たいと思う変革に、あなた自身がなりなさい)

マハトマ・ガンジーのこの名言の如く、当事者の立場から社会課題解決に向けて自ら動き変革を起こそうとする優れたチェンジメーカーを支援しようと、日本の団体がクラウドファンディングで支援を募っています(現在支援募集中:https://bit.ly/2Yn8Vmg)。

クラウドファンディングの起案者は、「一般社団法人Earth Company」。代表理事の濱川明日香さんは、2014年10月に団体を設立して以降、「次世代に残せる未来を創出すること」をビジョンに掲げ、以下の3つの事業を通して持続可能な社会を目指し奔走しています。

事業1:IMPACT HERO(インパクト・ヒーロー)支援事業
アジア太平洋地域で「次世代に残せる未来」を創れる並外れた変革力を持つチェンジメーカーを「IMPACT HERO(社会起業家)」として厳選し、3年にわたり支援する事業。

事業2:バリ島ソーシャル研修事業
「次世代に残せる未来」を作りたいと社会貢献や国際支援を志す次世代リーダーに対する教育事業。バリ島でソーシャル・イノベーションの最前線を学ぶ研修プログラムを提供し、社会課題解決の担い手を育成する。

事業3:コンサルティング事業
「次世代に残せる未来」を目指し社会変革に挑む団体・企業へのコンサルティング事業。

左から、「一般社団法人Earth Company」共同創設者/代表理事・濱川明日香さん、共同創設者・濱川知宏さん@一般社団法人Earth Company

■直面した海面上昇 波に襲われ感じた「先進国の責任」

濱川さんが国際協力を志すきっかけとなったのは、大学卒業直後の2004年、一人旅でサモアに行った際に目の当たりにした気候変動の影響だったといいます。

「私が泊まっていた村は、当時電気も水道もない、完全に自給自足の生活でした。魚を食べたければ魚を取りに行かないといけないし、農作物が必要であれば作らないといけない。でも、人々がすごく生き生きしていて、暮らしが豊かに見えたんです。しかし、そこで目の当たりにしたのが、海面上昇の影響です。その村はすごく細い半島にあったのですが、その村の先にはあと3つ村がありました。でも、その村々は海面上昇の影響で住むことができないくらいに波が来てしまい、十数年前には山側に移住していました。家は木の一部になり、コンクリートの壁だけが残っている状態で、ゴーストタウンのようでした」。

濱川さん自身も、大潮時に恐ろしい経験をしたと話します。

「実際私が住んでいた高床式住居も、波が高くなる満月と新月の大潮の時には、地面から50 cmくらいは離れていたと思いますが、30〜40センチくらいまでは水がくる。しかも、波で来るので、部屋の中にも水が入ってくるんです。「どこまで浸水するんだ」と、すごい恐怖心に襲われました。それを月に2回経験して。その度に農作物が塩害を受けて育たなくなり、波で家が壊されてしまうこともあります。彼らが住む場所を失くすということもそうですが、この生活、この暮らし、この文化がなくなってしまうんだということに気付く経験になりました。また、日本をはじめとする先進国が豊かな暮らしをするために、サモアのような途上国の人たちにいかに弊害をもたらしているかということに気が付き、すごく自分の国が恥ずかしくなり、責任を感じました」。

@一般社団法人Earth Company

■地域の「希望の星」 唯一無二のチェンジメーカーを支えたい

濱川さんは、大学卒業後に国際開発や非営利セクターで働く中で、「大きな変革力を持っている現地のグラスルーツ(草の根)のチェンジメーカー」に数多く出会ったといいます。しかし彼らは、スキル不足や資金不足により十分に力を発揮できずにいました。

「『いい大学を出ていない』『国際機関で働いた経験がない』『法人をまだ登記していない』など基準を満たせないがために、助成金やリソース(経営資源)にありつけなかったり、資金調達ができなかったり。彼らにリソースがつけばすごく大きな変革をもたらせるのにそこまでいけていない現状を見て、すごく悔しい思いをしてきました。なので、こういう人たちを支援する団体を立ち上げようと」。

「Erath Company」では、年に1人「IMPACT HERO(=社会起業家)」を選出し、3年間伴走し、主に資金調達、マーケティング、経営コンサルティングの支援を提供しています。「IMPACT HERO」を選出する際の条件は、以下の7つ全てを兼ね備えていることです。

  1. Authentic:社会課題の当事者であり、活動のモチベーションが実体験に基づいている
  2. Passionate:揺るぎない信念、課題解決に対する壮大な情熱、熱量を持っている
  3. Grounded:地域の「希望の星」として期待を背負い、地域に根付くコミュニティリーダーである
  4. Inspirational:世界の人の心を突き動かし行動に導く桁外れのインスパイア力を持っている
  5. Leadership:国内外多くの人から信頼を得、人・社会を動かすリーダーシップがある
  6. Irreplaceable:他の誰にも変われない、唯一無二の存在である
  7. Future-oriented:従来のモデルに替わる、環境と共存する新しい未来を創ろうとしている

これまで「IMPACT HERO」として、マーシャル諸島で気候変動問題に取り組むキャシー・ジェトニル=キジナーさん(参照)や、フィリピンでストリートチルドレンの更生支援を行う自身もストリートチルドレンのジョンピエール・モンティリヤさん(参照)などを支援してきました。

「IMPACT HERO」として選出された5名。@一般社団法人Earth Company

■ロヒンギャ民族の当事者が目指す民族の隔たりを超えた平和構築

2019年の「IMPACT HERO」に選出されたのは、ミャンマー・ロヒンギャ民族のウェイウェイ・ヌーさんです。

ロヒンギャ民族は、主にミャンマー西部ラカイン州を中心に約100万人が暮らすとされるイスラム系少数民族です。最大民族のビルマ族が約7割を占め、約9割が仏教徒であるミャンマーの中で、イスラム系少数民族のロヒンギャ民族は国籍を与えられず、1990年代から数十年に渡り差別や迫害に苦しんできました。2017年8月25日にはラカイン州北部で激しい衝突が発生し、約74万人が難民として隣国のバングラデシュに逃れています(※1)。

ウェイウェイさんにも、壮絶な人生を生きた背景がありました。

「彼女の父は政治家だったのですが、『アウン・サン・スーチーと議会で一緒にいた』という理由だけで、ウェイウェイが18歳の大学生の時、突然家族全員が逮捕されてしまいました。裁判もなく17年間の刑を言い渡され、彼女は女性刑務所の中に入れられました。そこは、1つの部屋に100人寝るような、生活状況がすごく悪いと有名な刑務所でした。その中で彼女が目の当たりにしたのは、少数民族に限らず、女性がいかに社会的弱者で人権すらも守られない立場かということでした。それを見た時に、『この国を本質的に変えていくためには教育の力しかない』と彼女は思ったといいます。彼女は人権団体の働きかけにより7年で刑務所を出ることができたのですが、それまでの間に、『刑務所の女性たちの生活環境をいかに良くできるか、いかに人権を守ってもらえるか』を訴え続け、生活環境をかなり改善しました。彼女が刑務所を出る時には、刑務所中の女性たちが一緒に涙し『良かったね』と喜んでくれたそうです。彼女はそういう人たちの希望を全て背負って出たのです」と、濱川さん。

2019年の「IMPACT HERO」に選出されたウェイウェイ・ヌーさん@一般社団法人Earth Company

ウェイウェイさんは、刑務所を出てすぐに米国民間財団から資金提供を受け、「Women Peace Network」を設立。その事業の1つとして、「ヤンゴン・ユース・リーダーシップ・センター」を立ち上げました。民族や宗教の垣根を超えて平和構築のために学びたいという人たちが一緒に学べる場所として立ち上げ、政治・リーダーシップ教育を提供しています。

ウェイウェイさんを「IMPACT HERO」に選出した理由は「大きく2つある」と、濱川さんは話します。

「1つは、彼女の『実現力』。ロヒンギャ難民は、人権を守られず、教育を受けること、働くことすらできず、生き延びることすら難しい環境にあります。すごく不利な立場にあり7年間も刑務所にいた彼女が、行動力を持って団体を発足し、アメリカの大学にも進学しました。それだけの『実現力』がすごい。

もう1つは、『唯一無二』という点です。彼女は、国連の大きなミーティングに呼ばれてロヒンギャの現状について報告したり、先日はトランプ大統領とも面会したりと活躍しています。でも、ハイレベルな影響をもたらせるだけでなく、『若者や女性、難民となってしまったロヒンギャの人たちを支援したい』と、難民キャンプで教育プログラムを提供するなどグラスルーツ(草の根)の活動もしています。『トップダウン』と『ボトムアップ』の両方で活動ができる人はすごく稀。且つ、その人がロヒンギャの当事者であることもすごく稀なことです。彼女以外にこういう活動をできる人いないだろうという点が決め手になりました」。

@一般社団法人Earth Company

※1:2017年8月25日以降にバングラデシュに逃れた難民の数74万261人(2019年7月31日時点)、国連UNHCR協会、https://data2.unhcr.org/en/situations/myanmar_refugees


■『知らないからケア出来ない』から、知って「ケアし合える」社会へ

しかし、ウェイウェイさんの「ヤンゴン・ユース・リーダーシップ・センター」に対する助成金が、彼女がヤンゴンで身の危険を感じ米国に住む場所を移したことから条件の変更によって減ってしまい、いま存続が危ぶまれているのです。そこで支援に立ち上がったのが「Earth Company」でした。現在、クラウドファンディングでセンターの運営費を募っています(現在支援募集中:https://bit.ly/2Yn8Vmg)。

濱川さんは、クラウドファンディングによって「IMPACT HERO」が向き合う社会課題について多くの人に「知り」「想像」してもらえたらと願っています。

「『世界の中のごく何百万人の人たちのことだよね』とか、気候変動においては『こんなに小さい島国だったらしょうがないよね』『なんでそんな海抜が低い所に住んだんだろうね』と、当事者からすると心ないと思われる言葉をおっしゃる方もいます。でも、実際に心ない方かといったら、そういう印象は受けません。現状を知る機会があまりないというのが大きいのかなと思います。『知っていてケアしない』のではなくて、『知らないからケア出来ない』ということが1番大きな側面なのかなと思います。また、社会課題は『自分ごと』として思えないことも多いかもしれません。でも、『自分が難民だったら、自分の家族が迫害を受けたらどう行動するかな。ウェイウェイみたいなことができるかな』と想像した時に、それは容易いことではないと思います。だったら、『自分ができないことをできる人に託してみようかな』と思っていただけたらすごくいいなと思います」。

濱川さんの「次世代に残したい未来」の形は、「ケアし合う社会」。

「今ある多くの社会課題のなかには、お互いにケアしあっていれば、生まれなかったものもあるのではないかと思います。自分が弱っている時は助けてほしいし、『助けて欲しい』と言えたいし、言ったら誰かが助けてくれると知っていたい。それだけで心地の良いことだと思うんですよね。そういう心地よさのある社会だったら、皆生きやすいのではないかなと思います」。

社会変革を担う人、担い手になるべく学ぶ人、そして、その担い手を支える人。「Earth Company」の周りには、「次世代に残せる未来」を多くの仲間が集まっています。

「一般社団法人Earth Company」共同創設者/代表理事・濱川明日香さん
(日本語) 一般社団法人Earth Company

(日本語) 一般社団法人Earth Company

Sorry, this entry is only available in Japanese. For the sake of viewer convenie...

Support (日本語) 【社会起業家支援】当事者の立場から変革を 立ち上がったヒーローを支援したい