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(日本語) 「日本語学びたくても学べない」状態解消に向けて第一歩ー日本語教育推進法が成立しました!(ご報告)

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日本で暮らす外国人は273万人。日本語がわからず、学校や日常生活に困難を抱える人たちも少なくありません。

海外で暮らすにあたって「その国で使われている言葉を学ぶこと」は、社会生活上もっとも重要な、コミュニケーションの第一歩ですが、日本国内における日本語教育は、これまで何も法的な根拠がない状態が続いてきました。

このため、外国人が増加し、対応に追われる自治体が独自に予算を組んで日本語教育機会をつくったり、学校の中でボランティアや教員が手探りで支援するといった「自治体丸投げ」「ボランティア頼み」となっています。

また、外国人住民や学校に在籍する海外ルーツの子どもの数が「ゼロではないけれど、そんなにいない」という地域では、まとまった人材や予算を確保して対応する事がむずかしく、自治体間で支援機会に格差が生じてきました。

そんな状況を変えていこうと、2016年に超党派の議員連盟が立ち上がり、練り上げられたのが、外国人の日本語教育に対する国や自治体の責任を定めた「日本語教育の推進に関する法律案」でした。

(法案作成の経緯については、以前「観察ノート」として書かせていただいた拙稿をぜひご一読ください。)

 

今国会、衆議院ではスムーズに審議・可決となった法案でしたが、参議院では文教委員会の審議が長らく行われず一時はこのまま廃案となる可能性が非常に高まるなど、関係者一同が一喜一憂する中、

去る6月21日、参議院本会議でようやくこの法案が可決・成立に至りました。GARDEN Journalismの読者の方々からもたくさんの応援、ご協力をいただきありがとうございました。

 

この法律には、必要とする人の日本語教育機会を最大限確保する責任が、国と自治体にあることや、外国人人材を雇用する事業主の責務が定められています。

基本法のため、これによって劇的に状況が改善するという性格のものではありませんが、これまでの丸投げ状態から少なくとも一歩踏み出しすための「足場」を得たような段階です。

これから先に、この足場の上でどのような建物をたててゆくか。

関係者による議論が始まっています。

 

ふだん、私たちが支える海外にルーツを持つ子どもや外国人保護者は「日本語を勉強したいのに、学ぶ機会がない」ことで、学校や地域から孤立することも少なくありませんでした。

適切な日本語教育機会を得られなかったことで、たくさんの子どもたちが十分に学ぶことができず、友達とも話せず、高校に進学する事にすら困難を抱えているという現状。

そしてそのような状況が、少なくとも30年以上続いていると言われます。

 

今後も増加すると見られる海外ルーツの子どもたち。日本に中長期に暮す家庭の子どもや、定住してゆく子どもも少なくありません。

この法律の成立を機に、海外ルーツの子どもたちや外国人生活者に対する理解と関心が高まること。

積年・山積の課題解決に向けて社会全体で取り組んで行けるようになること。

そんなことを願いつつ、引き続き、一歩一歩着実に活動していけたらと思います。

 

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